作成者別アーカイブ: 緑字斎

〈測定ノート〉200201: (こちら側から)

(こちら側から)

こちら側から突き出ていくものと、向うからやってくるものとがキャンバス上で出会う。
見る場合も、そのような作品からやってくるものと見る者の側から「衝き動く」ものとが空間で出会う。

向うからくるものとは、神秘性、もの、コンセプト、あらゆる形象化したがっているエネルギーであり、これは自ら形象化する力がないから、作家との出会いを求めてくる。弱い自らを、か弱い「光」のルールで光の仮の世界で存在を示すという悲しい物語。
作家は、これも、描く衝動、自らの創造力の強い衝動に打撃せられている。
具象も、抽象も「ものを写す」ものであるが、ここでは「写す」ではなく、造りあげる行為、いわば作品行為がある。

事象はか弱い。事象は人間認識においてその存在を示す。そして、認識とは脳の化学反応である。

[作成時期] 2002/01/99

〈解離手帖〉2001: (もの思わしげな)

(もの思わしげな)

もの思わしげな男の
うつむく角度の首の線
夕暮れの薄雲の色に映された
古い都市
ロマネスクの教会
ゴシックの尖塔
異端者の船出

紙の表面に泛ぶ油紋
物語の綴れ織り
浮かび上がる意志か
妄想を重ねる思考の影か
その頁に印刷された
オナニストの詩人の数行の詩

[作成時期] 2001

Large Work 08: The ambition and greed of DNA living entity

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〈解離手帖〉200105: etude群について

etude群について

稲光のような切実な白昼があって油絵具を買うことにした
八号の練習用キャンバスの白い表面は炎と激しい残火のせめぎあい
筆跡はオイルに滑る初めてのスケーティング、渦、トンネル、何世紀もの記憶
影と線が重なり合い、色が重なり 誘き出される妄想の破片
黒く黒く、うす汚れていく
発色が、刺激的な、高揚する煽情的な発色が欲しい、オイルを過剰に、過剰なオイルの海の上で絵具は疾る
ナイフが発色を追い求める!
建物の幻影から火が立ち上がる
炎の色が、黄昏の睡りの直前の狂気が 海の溶ける血の光……
形は色によって造り出されていく
魚が動きだし、植物の連なりが岸辺のゆるいカーヴを描く

[作成時期] 2001/05