作成者別アーカイブ: 紙田 彰

寄稿: 佐藤裕子「十日特急112便」

十日特急112便 佐藤裕子

都市間バスの路面には発車時から並走する花がある白白と
 夜目に物言うオープンマウス聞き流す傍から曇る窓
寄る辺ない名当て所ない行方開く距離を堪える臆病な節度
 呂律の回らない振動音が接触するたび洞窟の反響音
毛布の包みは空カーテンの中は無人乗客は外出するもっと
 混み合う時間帯でも高速道路を飛ぶ命知らずの人人
盲野でトルソは仮面を探す頷く為の無表情より微笑む型を
 疎かにした日課は悔いリボンを掴み青毛を呼ぶ幼心
とうに昔話と傍観者を装う中空の庭師の落ち着かない手許
 どう選んでも同じこと熟知の迷路を探す迷うカード
帯封を切り濃霧を上り雲になる王王妃道化師や兵士たちも
 門を出て振り向いたあなたも仕草一行に働く鉤括弧
小まめに乗務員が通路を進むリズミカルな指差しカウント
 声のないことばで気管を狭めたアンバランスな笑顔
素知らぬ振りで花を拾い明日を迎える海の朝まであと半分

(2016.8.4)

寄稿: 佐藤裕子「女狐」

女狐 佐藤裕子

襟元の斑が物憂いドレスは湿原で染めた裏絹夏毛を遊ばせ
 獲物を分け合わない雄たちなど見向きもせず野末へ
手荒に施錠を解く不揃いの覚醒時折り眠気を握り返す寒気
 根を広げ繊毛は走る五官を備え旅装を設え土を撓め
変態する虫の懐中時計風向計に立ち止まり不意に嘶く草笛
 急いた芽を噛むとき後退る味蕾押し除け熱持つ裏声
煙り始めた背景が点点と粒立つ額を反らせ受け取る輪投げ
 定理を示す谷地眼の邪な従姉妹はジョーカーも兼ね
明晰に捌く多重根泥が滲む頬に迷彩を刷く雨模様の気後れ
 目覚めてみれば月光は気怠く喉の辺で湧水は生煮え
臙脂色の絶縁体を境に挟み放電した三日月の顔はうろ覚え
 ケンタウロスのガラスブロックが十も二十も欠けて
巡り巡る季節を憶えていて滾るだけ滾り定まらず時間切れ
 嫉ましいほど美しい銀髪の王瞳が合えば攻撃サイン
蛇を呑むとき口から入り玉門を抜けるどこか肉感のある風

(2016.8.4)

寄稿: 佐藤裕子「砂の上の休日」

砂の上の休日 佐藤裕子

油断は容赦しない囀り憧憬が裏返ると焦燥だけが目に付く
 通過も後戻りも嫌う観覧車が最小の苦笑で吊る口角
不躾な舌を裂傷は許す問わず語りの縁を溢れる塩辛い色水
 浮き足立つ魚類の乱反射戦ぐ血眼にはスパンコール
複写の度に劣化し増殖時に死滅する有り様も見慣れた星屑
 継ぎ接ぐ箱の中身も知らず鉄骨を組む空中クレーン
空白に置く主語は爬虫類顔で喜怒哀楽のどの方位にも転ぶ
 自惚れで計を立てる段ボール迷路解体後は神経衰弱
付箋が情緒を担い投げ挿した違和が不在証明を無効にする
 古い倉庫で煌くオルゴール取り残された抑揚も商う
蔵の土壁に大漁旗を掲げると浮き玉の浮力はアンティーク
 海霧の母たちが腱を緩め孵したサイレンを遊ばせる
後ろ手で張る罠に事欠かない微睡み捲れる笑顔はみな盲点
 膨らむ面積を移動する灯思索が追憶に紛れ礫を積む
鬱蒼と連結するシャッターは海に向かう矢印露出した地層

(2016.8.4)

寄稿: 佐藤裕子「バッドランドから」

バッドランドから 佐藤裕子

単調な声音は綴りに換え流れ出す頬骨の辺りで心許ない靄
 大理石になる水を雲と言い大伽藍と指す遥かな岩山
螺旋階段を上った展望室の窓に息吹きを受け変色した地肌
 満月の肚は純金で肥え横顔に靡く銀糸滑り落ちて肩
淡淡とした口振りが禁忌を遮る為よりも苦痛の余りならば
 風下に立ち受け取る種大角羊が産む肉と豊かな毛皮
擦れたざら紙は記録する山の男たちは空を追われ座礁した
 割符を出す商人たち九十九折を行き交う様様な言葉
更紗に包まれた花嫁は贈り物が溢れる櫃で従順に身籠った
 揚羽のような嬰児鳥の眼を持つ娘空の女に似せた姿
やがて瘴気が追い付く地上の時間の千年は過ぎ始まる千年
 雅歌は語り羊は滅び夢になる町は初めからなかった
硝子があることを忘れ伸ばした指に冷気が棘刺す鋭い叱咤
 案内人が身に着けた古来の織物は毛羽立ち羽毛の腕
髪は煙り寄り掛かる壁は苔生し擡げた爪先から始まる石化

(2016.8.4)

参院選と都知事選後の雑感

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1. 日本ファシズムの始動か?
7月31日、ア○首相が橋下某と会談しているとのこと。
いよいよ日本ファシズムが始動するのだな。
これからは足が速い。戦争体制に向かっていくのだろう。東京オリンピックなど、どうなることやら。
民進党の党首がリタイア宣言したが、分裂は参院選敗北ですでに自明のこと。
こんなことなら、端から蓮舫を都知事選に出せば風向きが変わって、参院選の結果もおのずから変わっていたのかもしれない。
そんなことも読めない民進党のア○幹部が野党を牛耳っているのだから、四分五裂は避けられまい。
それにしても、あんなところの党首を現実的な選択とした蓮舫女史も、先が見通せないものだなあ。
女性改革者として先頭を走る道を踏み外し、みすみす女ファシストのビジネス手法に飲み込まれたのだから。

2. 東京電力と新情報システムのインフラ統制
昨日、東京電力から電力メーターの設置案内が届いた。
これは、どうも、電力販売の自由化を騙って、東京電力の営業部門を切り離し、本体をホールディングカンパニー化して、支配を強化するように見えるのだが。

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