作成者別アーカイブ: 紙田 彰

Work: Phnom Penh-1, acrylic and ballpoint pen

寄稿: 金石 稔 「【skr??l】(その1)」

【skr??l】(その1) 金石 稔

桃の実が枝になっている(走っている)遠景
〈つがいのけものの痕跡〉ときまぐれに名付けた空
落雷の一個が音もなく埋もれている
群青に点された夜の香水の一滴
音楽の奏でられる気配のとなり
渓谷と氷河がそびえ
眩しく緑に点滅
手触りを閃光として放っている
一枚の静かな紙裏にこもる季節
木漏れ日というまるで
機械仕掛けの
または振り出し式の
〈一句〉
目元の薄水とともにあふれる
木枕ごと弾ける部屋の片隅の銀河
記憶に嵌め込まれた落首
壁に朝日が細りやがて萎える
消滅についての憶測
回想が繁茂するという誤謬
昏睡のための歳月がけむり
背景に突風が控えている
〈草深い雲母でできた都市〉など
廃墟に象られ
飛び交うものの影や無言
(ことばの解剖図という語句)も
ふと浮上し
さらなる欠字をもとめて
波紋・風紋もなつかしみ
眉間に凪いだ渚を
彫りきわだたせることから
はじめる

(2016.2.11)

擬宇宙論:5510: 層状宇宙

層状宇宙

宇宙面を球体の表面になぞらえたとき、この球面が重層しているとすれば、このような形に膜状宇宙が複数、波のようにゆらめいて存在しているというイメージはありうるのではないか。
物質の発生が、真空のゆらぎから物質・反物質の量子過程を経るとするなら、この高エネルギー状態の真空がその前提にあると考えうる。
この真空は無から量子論的に発生していると見なせるなら、重力の総体は無と真空との間にわたるのではないか。これは、真空を球体にイメージすると、この球体の芯から物質・反物質の球面が生成され、重力は分裂して球面エネルギーと関与するに違いない。
これらの物質が、確率的なゆらぎによるインフレーションで現在の宇宙面を形成していく過程であるとすると、この宇宙の因となる真空の内部にある全重力に対称的な反重力エネルギーが生み出されて、新たな原因物質が生成され、これがさらに副次的な宇宙面を現在の宇宙面の球内に生みだしていく。これが重層的な宇宙面となり、膜宇宙をなしていく。
インフレーションの規模は不確定であり、空間速度は現宇宙面をしのぐ可能性はあるが、現在のところ、超えてはいないようである。
翻って、真空というエネルギー体は無から量子論的過程を受けるのであるから、これもまたある統計的な確率で登場するはずである。
パラレル宇宙は、物質‐反物質過程、宇宙の対称性、真空を根源にした層状発生、無から断続的に生成する真空体、などの形でつくり出されるというアイディアである。
重力は、エネルギーの総体をつくるものであるから、これらの段階のそれぞれに関与し、宇宙の質量問題はこの可能性を計量しなければならない。
四つの力のうち三つは一個の宇宙面で統一できるが、重力はこれらの膜面すべてにわたるとすると、一宇宙面では統一できないエネルギーなのではないだろうか。

[作成時期] 2010/01/20

雑体:020150502-0629: 最近の「おりおりのかけら」から

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最近の「おりおりのかけら」から

○取り返しがつかないのだらうか、船出をしたときから

○完成度といふのは、写真のやうなもの

○混交の雲の中から綿の繊維をさがす

○自然に出てくるものにしたがはうか

○自分のラインの中に埋もれてしまふので

○ハラールに影響されてゐるわけでもあるまいし

○オートマティズムとの濃厚なやりとりが

○もつと細胞の底から生ずる衝動を

○果物など買つてきてから、ペナンに行くことに

○雷雨が来てゐるので、食事にも出られない

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Work: Super-string, Mass of dimension 1-10, Oil on canvas