魔の満月 詩篇「楽天地」(栄光は薄暗い小部屋の中で……)

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侵入者にとって事態はどのように作用するのだろう
十九世紀の深更を告げるミサの鐘はプラネタリウムの天蓋を吊る紐とともにぷっつりと断たれる
内部と外部との攪拌はもはや終了する
扉は漆喰に蔽われ館から逃れることは能わない
事態の侵入という転末よ
緑の膨張する球ともいうべき船は荒々しい手練手管を弄して全男性を勃起させる
このほこらとは何か
アポロン神の栄光の漿液に充ちる暗黒宇宙の華英の如き部屋

(初出 詩誌『地獄第七界に君臨する大王は地上に顕現し人体宇宙の中枢に大洪水を齎すであろうか』第2号 略称フネ/昭和50年刊/発行人・紙田彰/初出誌では「連作詩篇 魔の満月・第三部」の一 1975)

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