〈火〉の装飾性について (実験詩集「浣腸遊び」, 1974)

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  ――父が面会にこないのはぼくはそれなりに分かりますし、それが父の闘いだと思っています
――森恒夫「吉野雅邦宛書簡」より

  

 パダーンの葬列
 焦げる海
 紅いろに蝕む カーク島

I、沈黙の塔
死の憑く
舌から迸る棘
鳥の黝い群が
岩壁の巣に
褐色の
肉片

貯える
巨石の尖塔から
青い羊が転落する

パオマ酒
……永劫の陶酔
王女ハイアンの十三ヶ月
涸れる 生が涸れ
死の醗酵が並びだす
拇指に薄く冠る百合の
乾いた花弁の
溶ける 匂いが
積み上げられる 河を
渡る 断食者の首から
七二本の糸を縒りあわせた コスティの
結び目が観察していた

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