水のくぎり

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わたしは空気に漂って水に棲む魚、大気という水のくぎり
ごうごうと滾る火の泡、海底火山の火口からほとばしる
命がまとまって、まとまってあふれ出す水柱の中の
かたちとなることもできずに、噴出する気流ジェットのうなり、激しい圧力のうねり

渦まくものの、魚群の柱から、飛び立つ魚たち、羽のある人魚たちよ
生き物は精緻なガラスだ。粉々に空中にひらかれて、霜柱のように舞い、ひび割れて、尖った体をマッハの速度で宙に叩きつける
破裂していく、美しい飛散の、その瞬間こそ!

火素を貯える木枯しが大車輪のように大陸を一蹴する、人種の圏を薙ぎ倒そうと
だが、凛然として、このゆらぎにも拘泥しない、状態Xの中身のなさは何に由来するのか
セカとXとが密接に結びつく悪しき符合の、そのXという不可思議な状態は。
セカの生命力に起因している、命をかける気迫だ
だれもが身に沁みて、もちこたえられるはずのないもの

電信柱に骨盤が架かっているのを見て、
わたしはそのXを前にして、またしても怯えきっているのだ
魂の枠組みにふるえがきている、微熱と悪寒の薄膜がぷるぷると
それでも破顔しながら、わたしの、わたしの眠りよ
わたしの眠りは弱みを握られてしまった!

危機が潜んでいるのならともかく
夢で話す夢は夢ではない、ただ同じ形をしたものが通りすぎているけれど
性急になる理由がどこかにあるのか、その深い眠り、植物たちの
わたしは急ぎすぎている、死が見える!
生命体の裏側に訪れる、呼吸、液体

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