春の街だよ (実験詩集「浣腸遊び」, 1974)

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そのうちに朝の乾いた鐘が落ち
虹が融け出してきては
龍吐水の皮膜でできた壁の
厚い透視術を塗りつける
分水嶺までの数キロの森歩きに
孔のあく足裏を投げだして
蛇のような通路を流して
低くシュッシュッとぬける
視線の繊維に刈りつめてゆく
おお 春の街だよ 夢捨ての
  おお
おお  春のつめたい街角の
  風さえつめたく発狂する
  春の街だよ 春はだし または
  星はだし 眼の眩む
        頭脳!
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