真夜 (実験詩集「浣腸遊び」, 1974)

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ふりこめの歯型に       薄皮一枚
戦慄の荒海 夢こごり     携えて
 灸の跡           石膏漬け
 崩れる垂れ        自然生の
跳ね橋を吠えて        夜
首の繋げ首にねんごろに    爛れる
 朝駈けの襞         頭脳を舐れ
 狡猾の液体         流動の
               夕暮れ

      河づたいの影
    越境するのは罌粟の実流し
  蛇の舌を持つ悪漢天浪星シリウスの狂犬の声
睡りの薔薇をかきわけ歯型が撒かれる幻の野
ランボスの               放心
植物群に            する少年
告別の唄われ       赤毛アイトーンの陰毛に
蒼い真空の脚ひきずる男色の冥王に澄みつく
       烏の啼く河へ
       墜ち空曲がれ


 パートCからDの前半部に至る
同       ば
時進行の春吹きぬけ く
さ         つ
らに夜の長い廻廊を辿り へ
お           中 く
お!死のメロディは濡れた背 ゆ
怕             て る
れる蜃気楼の忍び笑いをさみだれ が
憎               さ 憶
悪の持ち数の疼きそれから弔歌がぶら 記
草                 の
色の貌が吐き出してしまう白樺林の出来事
蜻
蛉の渚に
死体の注ぐ
防砂林
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