輝く夜 (実験詩集「浣腸遊び」, 1974)

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虫の経緯であって もはや
生きても死んでもいない
虫は 輝く夜 奇しくも鏡に
夜を塗りこめて 虫から
翔びたっている
そのとき そのものは死体に死を宣告する
つめたい星を含んだ風が
そのものにはえつづける 桃色の穴を
そよがせる
そのものは もはや
死体を喰らう用はなく
己れの穴によって
宇宙を吸いこもうとして
ふたたび そのものから
翔びたとうとしている

そのものとは
そのものの
輝く夜である

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