デリュージョン・ストリート 11 (妄想ノート) 妄想の破片

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〈ガン〉という概念。は(2)による負のベクトルに決定づけられているが、それはあくまで生体の側からの見方で、〈ガンという生体〉の側からは生命活動という物質の構築性を否定し、宿主を無に帰するばかりか、自ら死の淵へダイビングする〈反世界の生命活動〉という〈正方向性〉を有している。オンコジンが、冷徹で機械的で、あくまで一神的な〈世界の調和と統制〉というバランス機構であるのに対して、ガン自体の持つ死生観には、生命装置を媒介にして支配された世界性を超越する構造があるようだ。死を自己目的とした反世界。/
とはいえ、ガン化は用意されたものであって、それ自体、反世界的ではない。個体としての生命とは相容れることはないが、生命思想としては以毒制毒の効として世界の奴隷である。/
〈ガン治療〉は、妄想的にはこの異細胞に構築性を持たせ、そのことによってガン化細胞の〈生体としての維持機能〉を産み出し、そのための宿主との共存関係を作らせるか、宿主を奪取して別の生体として立つか、あるいは宿主の側が正常細胞を捨ててガン細胞による構築物として組み換わるかすればよいのだが、この構築性そのものが生命という抑制を解放するという形而上的レベルにあるのだから問題にならない。/
鈍麻。正?負のベクトルの傾きを支配するオンコジンを、麻痺、睡り、正方向の活性化、肉体時間の混乱に導いて、生命装置を弛緩させること。オンコジンの正方向のベクトルの力を抑制することによって、バランス全体の振幅を小さくすること。生命エネルギーの溢れた正常細胞に対する抗体を産生させて、生命装置の機能を低下させ、相対的にガン化の細胞活動を衰弱させる。/
生命が装置として存在するとは……。/
〈妄想神学〉物質的現実は一神による全体としての一宇宙の、多神的な重なりである。またその現実と肉体は全体としての一神の現れにすぎず、神の次元によって自由に改変できる(物質及び現実とは存在のモナドにすぎなく、始まりであり、結果ではなく、他の何の存在にも及ばない)。現実世界は、そこの神の意図による物質の規範にのっとっているが、ただそれだけのことで、実は簡単に(肉性を恐れなければ)くつがえすことができる。/
精神及び神、霊などの観念的宇宙は多神的に存在しており、正?邪、善?悪などはそれぞれの宇宙的対立の形であって、意味をなさない。基本的には一神の全体に収斂されるものだが、物質世界などはある一神の現れにすぎず、ただその現れは他の神の介入も含め、平板になっているとは限らない。神の中での位階はそのことを物語る。つまり、その支配的な一神の宇宙の構成部分は収斂されるものだが、霊的存在にしたところで、必ずしもその一神の確定的な構成部分ではない。/

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