未刊行詩集『strandにおける魔の……』02: 魔女の翔く

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満月を切り抜くかなきり声は
月の痕跡にとどまり
声の襞を夜空にめぐらし
炎のような枝ぶりで
生き生きと
無数の果実を結ばせる

うちつらなる棺よ
朽ちた半顔を覗かせ
青銅の肌もあらわな
魔女たちの群
夜の空を支配する者

螢光物質を流し込んだように
脂の河が発情する
耳を澄ませば
地平線の向こうから
はじけちるような呪文が……

大理石の ふつふつ
あぶくの低い歌声は
夜の変貌をかけめぐり
魔女の裸体を楽しむと
名づけうべくもない涸渇へと
向かっていく

夜・とばり・遮断幕・洪水・まえぶれ

 闇を充たしている光のものが喰われていく
 喰いつくすそれらが光のものにとってかわる

白い棺の女たちは乱舞する
魔の果実は結実する
熟れきった魔女が落下する
冷えた大地に
ことさらの死を命ずるもののごとく
その 猥雑な姿態のまま

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