(東風1989)

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リアリスティックで真摯な雰囲気
演技を超えた画面 少女たちの
ゆきあたりばったりの日常言語だから
路地は 次の路地につながる

いつまでたっても どこにも出られない
通りかかる外国人は なんてこの国は
貧乏で、不潔で 臭いのだと
そんなことはない とんでもない

不平等はある 生々しい現実の世界に
近いところと 年齢をかさねて
夢の子供時代を懐かしんで
時期がくるまでは、こんなもの

友人の死や、自分のいろいろが
数十年前の幼い日の どこかから
解体された 古い建材の長屋に住み
共同便所からも 狭い部屋からも

湿気た畳からも 独特の匂いをさせて
路地を辿って行けば どんどん
深みにはまっていく とんでもない
貧乏に打ちのめされて

いかなる希望も、充実感も、熱さもないと
外国人は傲慢な考え方をする
映画は思想であり 哲学でもあるから

客観的で 物事に深入りしない
さめていながら 突き放す
彼女たちに生活感がないから
つまり 妙に商品化された性だから

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