[資料] 天安門事件: 事件直前の記事等の翻訳[04] (佐丸寛人・訳)

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 問: それでは、今日、我々の身近で、どんな所に科学主義の特徴が出ているか、ずばり直言して頂けるか。
 答: 商品経済を発展させている今日にあって、科学主義は格別に甘やかされ、定量化・操作化は特に崇拝されている。人文学に取って代わったのは社会科学で、そして社会科学は次第に「社会の中の自然科学」に没しつつある。――このような科学は、科学者をシステム制御、経験調査、数理統計等の技術訓練をいやになるほど受けた職人に育てあげることに満足する。このような社会科学者については、英国の作家オーウェルの小説『1984年』を見るといい。これと同時に、理を重んじ文を軽んずる近代病は悪性膨張した。人文的理性の不振、精神世界の貧困と精神生活の俗悪化、価値の崩壊、意義の失墜、道徳の喪失……およそこれらは、みな科学主義排斥と人文的理性振興の必要性を明らかにするものである。人類文明史上では、正に人文的理性がその光で世界を照らし、人生の追究を指導し、科学技術の盲目的力を御した時、人類の精神を滅亡に至らしめず、文明は健全な発展を遂げられるのである。(『光明日報』1988.10.27 [学者答問録]「対科学主義的批判性考察――訪王焱」。翻訳: 佐丸寛人)
 

 著者王焱は、京生の釈放を要求する方励之を支持した1989年2月13日の「33人公開書簡」に名を連ねている(『立ちあがる中国知識人』凱風社、1989年、p.7「人民代表大会常務委員会および中共中央にあてる公開書簡」参照――訳者)
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