自由とは何か[013]

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 さて、私の生態のひとつに画家というものがある。大画家と自ら称し世に跋扈する、というのがあるかどうか。しかし、この画家は大言壮語、反DNA生命系と題して大判の「思考画」というものを描きつづけている。それが祟ったかどうか、夢の中でDNAから、おまえの細部をも見逃さないぞというようなメッセージが届くのだと言う。
 ――わしは、妙なメッセージが夢の中に含まれているのに気づいた。それらは、わしの知らない情報なので、体験の再構成というものとは異なっている。それは細胞の修復機能というものについてなのだが、自然配置され調査する細胞、検査して方策を決定する細胞、一般的な修復をする細胞、除去してしまうキラー細胞と復元のためのiPS構造体というものがある、というものだ。つまり、遺伝子を介してそのような監視システムを細胞ごとに撒布している生命システムがあるのだから、これを畏怖すべしということだと、わしは受け取った。もちろん、現在のガン医学の内容とは異なっているのかもしれないが、たんなる夢の中に現れたことどもである。しかし、その悪意はなぜか強く感じられたのが気にかかる。

 そのとき、別の肉体のゆらめきが叫ぶ。
 ――ばかだなあ、おまえは! おれはすでに宿主に叛乱している。この棘のある体で細胞に入り込み、あらゆる野望を奪おうと。
 それは、癌細胞――生体に含まれながら、独自の生命活動、攻撃をするもの。

全面加筆訂正(2011.12.23)

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