おりおりのかけら

■おりおりのかけら投稿履歴

履歴


2019/05/17 10:56:

【かけら】

ダリあるいはサディと呼ばれるそのオオコウモリは、突然夜中にやってきて、どのような事情なのか、死亡日時も明かさずに、画家の名にちなんだ非日常的な音のない声を鳴らしていたのだ。もちろん、ばらまいていたのはそればかりでない。夢を作り出す夢の細胞とか、夢の核心である夢のDNAといったものなどである。
sleepless forest



2019/05/12 17:43:

【かけら】

美しい乳房が無惨にも汚されていく。それらの乱雑な十字架はいかなる神の告示なのか、死体となるまで清められることはなかった。あの爆発、あの週末の大雨の夜、あの真っ黒な放射能の一斉射撃をすでに浴びていたのだから。 2011.3:11後の大雨の日



2019/05/11 10:04:

【かけら】

眠りから目覚めると、後頭部に何かしらの違和感を感じたのだ。簡単な打撲だと思ったのだけれど、嫌な気がしたのも確かだった。内部に向かった棘、触るとぐにゃりとしていて。
spinning sea



2019/05/09 9:28:

【かけら】

それとも、わたしはわたしから見ることのできないからだの外側の世界、からだがいくつも重なっている世界を愛しているのかしら、許せないでいるのかしら。無限に重なりつづける宇宙のからだ、わたしの性器が受け入れられないもの。
bourbon cask



2019/05/07 10:10:

【かけら】 物質的な存在の内部のような実体。まるで概念的、抽象的、幻影的なあいまいさ。その先にあるのは不可能性と、稀薄な未来、ものとものとの結びつきからさらに離れていって、涸れてしまう種子。
fascism without the summit



2019/05/06 22:42:

【かけら】

 しかし、何の方向性もなく、繋がりもなく、目的も定かでなく、真実とか嘘であるとか、合理性のあるなし、科学か神秘主義かなどの議論とは無関係に、その虚像と実像が世界そのものであり、宇宙なのである。grillo



2019/05/03 21:48:

【かけら】
連載中の小説「Dance Obscura」に自作の絵を挿絵にしてみた。
自身の思考が導きの糸になるかどうかはわからないが、抽象的な感性という矛盾が逆にインスパイアするかもしれない。
今のところ、第008回目まで。



2019/04/30 10:05:

【かけら】

――そのとき、わたしは球体の表面に吸い込まれ、そのことによって鏡体自体と同化するのかもしれない。わたしの性は時間とともに失われていくのだわ。
grillo



2019/04/27 15:36:

【かけら】

29篇の小宇宙
 書物の中には何もないはずなのに、あることとないこととの区別のつかない混乱が生じている。それは深い海の底での出来事のようでもあり、ビッグバン宇宙の発生する寸前の渦中のことでもある。ものの始まりが物質であるのか思考のような形の定まらないエネルギーであるのかは分からない。しかし、それらがもがくさまは極小宇宙を産み出す苦しみに充ちている。研ぎ澄まされた作品の破片が産まれていくように。



2019/04/27 15:32:

【かけら】

「Dance Obscura」の紹介文から
この小説は、散文詩をベースにした小説である。宇宙論哲学という思考を展開することで成立している。
これが、現象と刺激に過ぎないというもはや終焉を示しているこの惑星とここの生命体に何を迫っているのかを、よくよく考える必要があるのかもしれない。
自分の頭で考え、自分の肉体で生きていくのだ。それ以外に何があろうか。
踊れ、躍れよ、髑髏の棲まう暗黒の函の渦中で。



2019/04/25 0:58:

【かけら】

そして、その糸状の光つまり網の目は時間と空間と重力のそれぞれの発生点らしく、それらの交点からさらにけばだったゼンマイのようなヒモ空間をゆらゆらとのばしていくように見えた。
fluctuating fabric



2019/04/23 9:40:

【かけら】

私の思考と感覚が想像力によってどこまで展開できるか、どこまで届くのか。この作品が科学でもない、論理でもない、というのはそういうことだ。
また、私は詩の領域を重ね合わせて、全体としての物語作品を作り上げようと企図した。直接のつながりのない、さらに観点の異なる詩篇、散文の群れは、宇宙把握の統合性に通じるはずだ。



2019/04/20 10:14:

【かけら】

布の向こうに捉ええたのは、凄絶な青味さえ帯びた、どこまでも貫いて透き通る空間だった。何ものもない荒涼とした空虚、無そのものの上に、首だけが浮かんでいた。
narrative of revenant



2019/04/15 16:41:

【かけら】

一晩中、まさしく一晩中、脳内で異物がひっきりなしに暴れ回るように、人間の顔のあらゆる奇怪な動きの可能性をすべて現してから、彼はただ一度だけ、意識を取り戻したわ。そしてその直後、まる一年間の最期の眠りについたのよ。
missing acts



2019/04/13 22:53:

【かけら】

私は私の意識が多重性をもち、複数の重なりであることを否定するつもりはない。私自身を含めて私の意識たちが囚われているに違いないことはうすうす感づいている。
all gravity