寄稿: 佐藤裕子「バッドランドから」

バッドランドから 佐藤裕子

単調な声音は綴りに換え流れ出す頬骨の辺りで心許ない靄
 大理石になる水を雲と言い大伽藍と指す遥かな岩山
螺旋階段を上った展望室の窓に息吹きを受け変色した地肌
 満月の肚は純金で肥え横顔に靡く銀糸滑り落ちて肩
淡淡とした口振りが禁忌を遮る為よりも苦痛の余りならば
 風下に立ち受け取る種大角羊が産む肉と豊かな毛皮
擦れたざら紙は記録する山の男たちは空を追われ座礁した
 割符を出す商人たち九十九折を行き交う様様な言葉
更紗に包まれた花嫁は贈り物が溢れる櫃で従順に身籠った
 揚羽のような嬰児鳥の眼を持つ娘空の女に似せた姿
やがて瘴気が追い付く地上の時間の千年は過ぎ始まる千年
 雅歌は語り羊は滅び夢になる町は初めからなかった
硝子があることを忘れ伸ばした指に冷気が棘刺す鋭い叱咤
 案内人が身に着けた古来の織物は毛羽立ち羽毛の腕
髪は煙り寄り掛かる壁は苔生し擡げた爪先から始まる石化

(2016.8.4)

参院選と都知事選後の雑感

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1. 日本ファシズムの始動か?
7月31日、ア○首相が橋下某と会談しているとのこと。
いよいよ日本ファシズムが始動するのだな。
これからは足が速い。戦争体制に向かっていくのだろう。東京オリンピックなど、どうなることやら。
民進党の党首がリタイア宣言したが、分裂は参院選敗北ですでに自明のこと。
こんなことなら、端から蓮舫を都知事選に出せば風向きが変わって、参院選の結果もおのずから変わっていたのかもしれない。
そんなことも読めない民進党のア○幹部が野党を牛耳っているのだから、四分五裂は避けられまい。
それにしても、あんなところの党首を現実的な選択とした蓮舫女史も、先が見通せないものだなあ。
女性改革者として先頭を走る道を踏み外し、みすみす女ファシストのビジネス手法に飲み込まれたのだから。

2. 東京電力と新情報システムのインフラ統制
昨日、東京電力から電力メーターの設置案内が届いた。
これは、どうも、電力販売の自由化を騙って、東京電力の営業部門を切り離し、本体をホールディングカンパニー化して、支配を強化するように見えるのだが。

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見夢録: 2016年05月05日-31日

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日録■2016年05月05日-31日

■2016年5月5日 02:1
【かけら】
twitterの投稿のリンクにJBLの紹介者であるオーディオ評論家の故・岩崎千明さんの写真につながるものがあり、中野のJazz Auditoriumに通った一時期(1970年代初頭)を思い出した。大音量のコルトレーンを聴きながら詩を書いていたときのことを。
1987年刊の『緑字生ズ』に所収した「082 (闇の凍りつく……)」が、この頃を思い出したものだったので、twitterに投稿してみた。

2016年5月5日 21:30
【かけら】

Wood_pen_007, 2008.9, ballpoint, Japanese cypress, 3.0×30.6cm

Wood_pen_007, 2008.9, ballpoint, Japanese cypress, 3.0×30.6cm

2016年5月5日 21:50
【かけら】
木片や厚紙の長いものにボールペンなどによった線画を少し露出してみる。

2016年5月5日 22:01
【かけら】

ボールペンを用いた断片(3) picture 2004.11, water ball point, paper,82×595mm

ボールペンを用いた断片(3), 2004.11, water ball point, paper,82×595mm

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風が

風が
わたしの細胞の間を
風が吹く
細胞の分子構造の間を
風が吹きわたる
分子の間を
ごうごうと風が吹きわたる
もうわたしとはわかりえない
物質と光の中を
風が吹きぬける
わたしは風となっているのだ
わたしはただ風となって
ひとしれず
去っていくのだ

寄稿: 金石 稔 「【skr??l】(その15)」

【skr??l】(その15) 金石 稔

  暗黒の空に架かる月の下に世界は幻惑の譜を
  夢にみて最後のピアニッシモ”を敲く ――――紙田彰「魔の満月」最終行

昨日までは
〈世界の果てに〉出
かかっていた月
巨人族タイタンの異母兄弟のように)
オモチャ箱の中野 乱雑なあたたかさ
とずぶ濡れの帆布
とミニチュアのバタフライの選手のつばさ
と甘いイチゴ形のローソク

潮の匂いもつぎ足す
ここにいない者の視野に
陽は青々と流れ
沈む背景を握りつぶす記憶まで
も拾っておく
誰のものでもないから
捜り打つ
(指さしたつめのね)など
確かめはしない

(2016.5.23)

寄稿: 金石 稔 「【skr??l】(その14)」

【skr??l】(その14) 金石 稔

某日某時刻
室内は水で満たされ
そこに〈ひかりのコップ〉という名の
緑の丘と海波のうねりで象ったブーケが
浮かぶ
ねじれながら風も吹き
名のない木立を消していく
裏側へつづく川は
闇にまぎれ
夜ごとの談笑は戻らぬ
毛物の尾だけがそよぐ
ガラス窓の向こう
パンと炎
塩と絹糸がからみほつれ
排気のための透明な翼が
欲しい
星のない夜が
その街々での
たとえば
描写Aと神秘Bとの出会いは
細くなり
ごくしてきなものへ
縮尺され
洗い流され

(2016.5.18)

見夢録: 2016年04月06日-30日

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日録■2016年04月06日-30日

■2016年4月6日 14:20
【かけら】
昨夜遅く、息子と、中野の秘密のワインバーを訪れた。
プノンペンで知り合ったレストランの店主の紹介があったのだが、実現するのに8カ月を要した。
秘密というのは、バーのオーナーの意向があるからだ。ここを知っていた息子によると、小さいけれど知る人ぞ知る店ということだ。
いろいろ話すうちに、プノンペンの知り合いとその友人のオーナー、さらに同伴した息子の年がくすしくも同じであることが判明した。
そして、娘夫婦も、近くに住む弟夫婦も常連らしいことも。
さても、偶然とは一気に収束するものだなあ。

■2016年4月7日 06:55
【かけら】
神経細胞の電位差の測定実験により、行為が先行し、意志の選択が生ずるとされる。このとき、意識は行為の中途でこれを否定することができる。つまり、自然発生的な行為を判定して、それを否定して行為を中断するか、判定せずに行為を成就するということである。この判定の収束が量子状態であるわけだ。自発的な行為は自然の予定調和であるが、行為の判定が成立することでなされるのは、行為のコントロールとしての自発性の拒否という考えがある。これは、その神経細胞が意識的に判定するということではなく、判定自体が確率的な収束であるのだ。つまり、意識の恣意性は行為の選択には関与しておらず、この細胞の肉体的機能を自由拒否という判定の結論が動かしているということにならないか。
ここにきて、意識と意志は乖離しているとみなすことができるのではないか。

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寄稿: 金石 稔 「【skr??l】(その13)」

【skr??l】(その13) 金石 稔

気配はあるがその
てのものは なく
色の棘はかすかに
見えたが 息はない
寒風やわらかに
星に流れる小川(b-ACH)
知らない 知らないものは 
しす(べき)もの
Aは(ナル)Aにほか
ならず もの
などと 笑う
べっこうの記述にある
遠乗りせよ
冬、彼 、の
くさぐさのうねりまで

(2016.5.10)

寄稿: 金石 稔 「【skr??l】(その12)」

【skr??l】(その12) 金石 稔

それから眼球までの海域
白い風のような薔薇(ランダムな息継ぎ)
手の両端には雨の色彩
遠い(期日の限られた)記述の刻まれた空
旅程表が舞い散る
腰を削る
滑りしなやかに

(2016.5.5)

寄稿: 金石 稔 「【skr??l】(その11)」

【skr??l】(その11) 金石 稔

ふだらくにおちてみんかの
あるまじろあり
ぢべたのたびたびたびのたび
さかしろののびしろのつきかげ
まなじりをしばらく
たかつきすきまさかの
つかのまのあそびところ
ねこおすしまうま
うるむつやけし
きじるしのけはい
はい

(2016.5.5)