緑字生ズ 170 (神が神であることから……)

170

神が神であることから始まる神への愛
汝を絶望する汝への愛
愛が愛であるから汝は失われる
神が神を露わにして
汝との凡庸な媾いに耽るから
汝の棄ててきた日常が回帰する
神が博愛主義者だから
愛される汝は裏切られる
神が背信者だから
信ずる汝は忘却される
汝がclitorisistだから
無限に苛まれる

死樹は生樹を嗤う
ああ、衰弱

Large Work 06: initial stage 2

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擬宇宙論:4892: 〈存在と宇宙論〉(実在とは)

〈存在と宇宙論〉(実在とは)

実在とはエネルギーのことである。
また、そのものから次の「新しい」ものを生じさせることができる場合にはエネルギーが存在する。
つまり、思考は次のあらざるものをあらしめることが可能であるから、エネルギーを持っており、実在している。
意識は肉体に属するに近い、精神機能であり、その所産として思考を発生させられるが、逆に思考が意識を機能させて、思考の活動を生ぜしむることもできる。

[作成時期] 2005/09

〈美術衝動: 文〉(作品に取り囲まれるということが)

〈美術衝動: 文〉(作品に取り囲まれるということが)

作品に取り囲まれるということが何をその時間に与えうるのか。
その作品はたしかに自らの生み出したものなのであるが、すでに私の手の届くところには存在していない。それはただ悲しみのうちに充満している過去の音楽というようなものでもなく、知られざる未来の破滅(おお激烈な破滅よ!)ということでもない。ただ瞬間が永遠であるように、永遠が偶然の一瞬であるような、我を失わせしめるごとくの原初の存在。
だが、それは私をそこに誘き入れようとしているのか、それとも私を遠ざけようとしているのか、あるいはそれと私の間隙には遮断された透明な皮膜が漂っているとでもいうのか。私はただ漂っている。意識ばかりではなく肉体そのものがたしかに漂っているのを感じている。
体が、からり●●●と変換するような、そのような極限性を目のあたりにしているのかもしれない。けれども、その視線は誰のものなのだろう。私はすでにそのような目から失われているのだから、その眼は変換という状況そのものなのではないか。変わりつつあることが変わること自体を知っている――。
私は作品にそのような意味あいで、仕上がりのサインを入れなければならない。
  第12回個展で

[作成時期] 2006/04/25

Large Work 05: Super-string Theory

Super-string Super-string Theory, 2005.7, oil, canvas, F100×5(651.5×162cm)

Super-string Super-string Theory, 2005.7, oil, canvas, F100×5(651.5×162cm)

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緑字生ズ 169 (黒ずんでもおらず、……)

169

黒ずんでもおらず、澄みきってもいない
佇んでも、駈け出してもいない
肩を寄せ合うものも
抱き合って泣くものもなく
山巓を染める夕焼が
忘却のように
動悸をつのらせ 陥ちてゆく

ひじの季節
ツバサゴカイを垂れて
あらためて水の中に蠢くものを探る
疾走という火照り
衰弱という力
目前の死よ、扉を叩く破滅
心ひかるる波、波
振り返って巣へと戻るもの
青い闇の底で発光するもの
camera obscuraの中の
鏡に流れる無数の貌

緑字生ズ 168 (八重桜)

168

八重桜 夜の契りの炎の滴

別れ霜 墓地はだらなり灰まみれ

お粥腹、お粥腹 なんたるポリヒュムニアー

くれまどう水に流るる月、炎、首

はたたかな水に流るる草木と血の石

いまだしの眠りの夢よ 桜のいろ桃のいろ

はだごころ蛙のぬめりそのねむり

砂青く山吹に埋みて卒塔婆傾ぎ立つ

翳りなく流らう苦楽、血と百合と

墓をあばき、その生き魂の別の断面

未刊行詩集『strandにおける魔の……』03: 女陰

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女陰

つつきでる顎
その落下
ささらさら 月光の波紋
なにごともなく水の朝が這い出てくる
ぷるっ 蛙の背の淫らな飛沫
翔破するものたちは
魔への階梯を裁断し
遠く 静脈の凪に……

ほほろほろ
剥がれつづける虹
金色に灼けた空がこわれて
ははぐくむ虫 星 不死
月という屍が
声あげる

きらめく夢の尻
小宇宙の謎を呑みほすもの
ほほとばしる腐敗
ききりさかれる谷間
くくらくら 青い動悸に
早朝は消化されて
魔の食道こそは
人民の涙を醗酵させる
地下室の悪意

じじくじく蝕まれた太陽
垂れこめる霧の膿
紫色の液体があふあふあふ……
ひとがたの岩がぬらり
気圏のぱぱしぱし
影を屹立させて
いま 宇宙の全貌がしめつける
午後のしなやかな革紐が

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擬宇宙論:52815: 〈存在と宇宙論〉世界面

〈存在と宇宙論〉世界面

世界面のスライス
世界面の不連続
物質情報のコピー

物質移動(テレポーテーション)の可能性

[作成時期] 2007/04/04